よいこの低学年むけ数学ひろば

級数解を用いたベッセル関数の導き方

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

ヘルムホルツ方程式と呼ばれる式に対し、円柱座標を適用させて得られる方程式に次に示されるような微分方程式があります。

ベッセル微分方程式

この方程式のことをベッセルの微分方程式と呼びます。
この微分方程式の解を導くためには普段通りのやり方だとうまくいかないので、ある級数を一つの解として仮定するやり方─“級数解法”という方法を使ってその解を求めていくことになります。

まず解としての級数を仮定

この微分方程式を解いていく際において次のような級数解をひとまず考えます。

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

これを2階まで微分していきます。 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
まとめて簡単に表すと次のような関係式が出てきます。
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル


これらを先ほどのベッセル微分方程式の中にそれぞれ代入していきます。 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

ここで上記式の左辺第1項を次のように分けて考えていきます。 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
より、 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
第1項から、

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

第2項から微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルを考慮して、

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

さらに第3項より、

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

次に式の中の微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルと同じ姓の実数と考えて次のように置きます。

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

よって次のようになります。

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

kを0から順位代入していきその式の変化を見ていきます。
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル


微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル


微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル


微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

こうした結果により奇数項はゼロになるのでこれを省くために新たに微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルを用意して、

 

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル
微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

式の中の微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルを次のように置きます。

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

このことから、

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

最初の式に当てはめれば、

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

となり解と仮定したべき級数は次のように置けます。

 

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微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

さらに次に示されるような性質を持つガンマ関数と呼ばれるもの、

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

こうした性質を持つガンマ関数を利用し、さらに微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルを用いて最終的に次のような関数が求まります。

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

ベッセル関数の描画

いろんな値を代入したベッセル関数をグラフにするとこんな感じになります。 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

 

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル

補遺━ベッセル関数の微分変形

ベッセル関数に微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル乗したものを掛けて、それを微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルで微分したときどのような形に変形できるかを考察してみましょう。

 

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途中、以下に示すようなガンマ関数の性質を使っています。

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簡単にまとめると次のような形になります。

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この辺のとこは大した内容ではないですがこうした変形は量子力学の問題なんかでたまに使われることがあります。
なのでさわりだけ知っとくと後々楽かもしれませんので、とりあえず軽くログってみました。

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