よいこの低学年向け数学ひろば

コリオリの力とは

微分方程式,コリオリ

フランスの科学者で軍属でもあったガスパール・ギュスターブ・コリオリ

初歩的な力学の分野において慣性系に関する話の中にコリオリの力というものがあります。
この“コリオリ”とは人の名前であり地球が回転することによっておこる見かけの運動力を、回転座標上で移動したときの移動方向と垂直な方向に受ける慣性力の一種を数式で表現したものになります。
一般的にこのコリオリという人物は科学者という記述が多いのですが実は軍人でもあったことはあまり知られていないようです。

 

北半球において大砲を撃ったとき、その弾道が標的よりもわずかに右にずれることを数式によって説明した人物ということで自衛隊でも多少知られた存在らしく、話の小ネタとして話題になることもありました(おそらく重迫撃砲などではコリオリの力による弾道補正が必要になるためだと思います)。

回転座標で運動する物体

円運動の角度を微分方程式,コリオリ、周囲に沿った距離を微分方程式,コリオリ、ボールの速度を微分方程式,コリオリ、慣性力を微分方程式,コリオリとおくと、

微分方程式,コリオリ

上の図は、矢印の通りに回転させた円盤を真上からみたものであり、中心から外側へ投げた球があたかも右のほうへずれたように見えるその様子を表したものです。中心部分にいる人物は図の微分方程式,コリオリの方向へ投げたつもりが微分方程式,コリオリのほうへまるで曲がって投げたように見えてしまいます。

 

微分方程式,コリオリは動径方向に垂直な方向に働く慣性力とし、一定加速度での移動距離は微分方程式,コリオリの形で表せるので

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ

この力をコリオリの力と呼び、回転座標系で運動する物体に加わる慣性力のことを言います。
この力を実際に数式を使って具体的に表現してみましょう。

■回転座標系■

3次元の回転

2次元の回転



微分方程式,コリオリ

回転座標系において時間変化した角度を微分方程式,コリオリとすれば以下のように表せます。

微分方程式,コリオリ

または、

微分方程式,コリオリ

これを時間で微分します。

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ

上記式を再度微分します。

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ


微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ微分方程式,コリオリの間の関係は次式で表されます。

微分方程式,コリオリ

さらに微分方程式,コリオリ系(慣性系)では次の運動方程式、

微分方程式,コリオリ

が成り立つので上の式の結果を用いて微分方程式,コリオリを表せば、

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ

これらを代入し微分方程式,コリオリ系について整理すると、

微分方程式,コリオリ

微分方程式,コリオリ

となります。

微分方程式,コリオリは回転系から見た加速度運動で、運動の原因となる力として微分方程式,コリオリのほかに2つの力が加わった形であり、右辺第2項、第3項は見かけの力(慣性力)を示しています。
右辺のそれぞれの意味は、

右辺第2項

:(コリオリの成分)

右辺第3項

遠心力の成分:【遠心力の成分】
を示しています。
回転座標系をまとめてみると次のようになります。

慣性系に対して運動する座標系

1.

等速度運動する座標系は慣性系となる(ガリレイ変換)

2.

加速度運動する座標系は非慣性系(見かけの力=慣性力)を考える
  • 加速度で運動している系
  • 見かけの力 

3.

回転運動をする座標系は2種類の見かけの力を考える
  • 遠心力    :
  • コリオリの力:

nextupprevious

微分方程式,コリオリ

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