系の熱的状態を記述する方程式
この状態方程式はという三つの変数によって記述されます。経験的に、
【例】
これらは、と表すことがあります。より、
の三つのうちの二つが独立する場合
フックの法則
※体積弾性率
で
ここで(=等温圧縮率)と置くと、
今度は一定でのみ変化させると、
ここで体積弾性率というのを導入します。
これを正確に成り立たせるには、ならば
次にについて全微分を施しますが、そのときのの微小変化量はとします(一定)。すると、
この一定のもとで、さらに両辺をします。
すると、 となりますが、このときの上記式ののついているカッコの中は、より良く表現するならばとなります。 これらにより次のような関係式が導かれます。 さらに、先ほどの式、 を代入すると これにより、状態方程式の別の表現として、 さらにを圧力係数とし、これを新しくと置きます。
上記の式においてである場合の比である場合 という関係が導かれます。
すると、 となりますが、このときの上記式ののついているカッコの中は、より良く表現するならばとなります。 これらにより次のような関係式が導かれます。 さらに、先ほどの式、 を代入すると これにより、状態方程式の別の表現として、 さらにを圧力係数とし、これを新しくと置きます。
上記の式においてである場合の比である場合 という関係が導かれます。
ファンデルワールスの状態方程式
実際問題として実存の分子の運動を考える場合、次に示す2つの事項を考慮する必要があります。
(1) 有限の大きさ
(2) 分子間力
(1)分子の大きさ
原子は有限の大きさなので入り込めない領域を考慮した場合、球の体積: を考えれば、
となります。nモルあたりにおいては、
これを付加した状態方程式は
この式において、今度は分子間力の存在をさらに考慮する必要があります。
原子は有限の大きさなので入り込めない領域を考慮した場合、球の体積: を考えれば、
(2)分子間力
理想気体における圧力は
力は下の図より、
これによりは、
これらによって求める速度は、
壁にぶつかる分子一個の運動量は
のところに上で求めたを代入します。
実存気体では
は実験によって決定されます。
現実の実験結果と完全には一致しませんが本質的な部分はよく捉えた式だといわれています。
単位体積あたりの個数密度は、nをモル数として、 圧力の単位は、
X:分子一個の運動量、Y:体積、Z:理想気体の圧力
ここで注目したある気体分子(白丸:速度)を後方に引っ張る力として、壁側の粒子(黒丸)から受ける圧力を考えます。力は下の図より、
実存気体では
現実の実験結果と完全には一致しませんが本質的な部分はよく捉えた式だといわれています。
【臨界点の求め方】
ファンデルワールス状態方程式のP-Vグラフにおける臨界点。臨界点の部分は微分積分学における変曲点の部分であるので、そのPに対して、 という条件を課して実際に式を偏微分計算していきます。 これらと、 まず(1)/(2)より、 (1)にを代入して、 さらに今度は(3)にを代入して、
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