よい子の低学年向け数学広場

黒体放射とヴィーンの変移則

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ビックバン理論

CMB:Cosmic Microwave Backgroundの発見
1960年代前半からR・Hディッキーらは微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル放射が存在するなどとして放射計を開発し宇宙背景放射を検出しようとし、1989年 COBEの打ち上げにより微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルの黒体放射を発見。 宇宙背景放射に対する因果律の説明は、恒星の光が塵などの物質によって反射されるなどして銀河内にとどまったものと考えられましたがこれだと方向による背景放射強度の“揺らぎ”が非常に滑らかであることの説明が難しく、更にはこの宇宙背景放射が黒体放射に極めてよく一致するということなどによりやがてビッグバン宇宙理論が注目されることになります。

ヴィーンの変移則と黒体放射

黒体というのは光などの電磁波をすべての波長において吸収またはそれを放出(反射)できる理想的な物体のことを言います。こうした性質を完全に持つ物体を完全黒体といいますが厳密にそういったものは存在しないといわれてます。 この黒体によって放射される電磁波を黒体放射といい放射される電磁波の波長をλ、温度をTとおくと波長λでの黒体放射の式はプランク定数をh、cを光速、ボルツマン定数をkとすれば次のように表されます。

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このある波長λでの黒体放射の式を次のようにおきます。

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微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル波長λでのエネルギー密度

このエネルギー密度の式に対してλで偏微分を実行し、さらにそれに対して極値をとります。

微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルとなる波長を微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェル← 極大となる値

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ここで上記の式全体を見やすくするために微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルと置きます。
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この(a)の式を解いていきますがこの方程式はLambertのW関数と呼ばれるものを使って解いていきます。このW関数というのは、微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルと表すものであり、任意の複素数zに対して次のような式が成立します。

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解き方としては(b)の式の左辺のような形にすれば右辺のzが求まるという要領らしいです。

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ここで両辺に微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルをかけ、イクスポーネンシャルの乗数の部分と“I”の部分を同じ形にします。

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(c)より、

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となるので整理すれば、

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このLambertW関数に関してはマテマテカのサイト、
http://mathworld.wolfram.com/LambertW-Function.html などのWebサイトを参考にしてみてください。

 

そしてこの数値解析の結果を代入してlambdaを求めると、

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よって波長の最大値における温度Tとの関係式は近似をして、

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これをヴィーンの変位則といいます。
【例】 → 微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルの星の場合

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また、微分方程式,微分演算子法,常微分,偏微分,フーリエ解析,熱伝導方程式,マックスウェルにおいてでは、

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