熱伝導方程式
2階の偏微分方程式における境界値問題【熱伝導方程式】
熱伝導方程式(放物形偏微分方程式)
次のような式を考えてみましょう。
変数分離を使って、をとtの関数として2つに分離します。
これを上式に代入すると
式の両辺をよく見てみるとそれぞれがとだけの関数になっていることがわかります。
上式のようにとを独立に考えても等式が成り立つためには両辺の値が定数であると考えればよいです。
この定数をそれぞれの式に対して
とおくと、
という2つの方程式で表せると思います。これを以下に示す条件−
境界条件
および初期条件
のもとにその解を解きます。
と考えられるので、
という2つの条件をみたすものをまず求めることにします。
の解で、を満たすものは次の3種類が考えられます。
のとき
になるので一般解は、
条件より
さらにはの条件
も勘案すればとなり意味がありません。
のとき
一般解は、となるので条件より
この場合も再びは0となるのでと同じように解としては意味がありません。
のとき
最後のを実際に計算してみると
となるので解は次に示す、
というような複素解になります。
実数部0、虚数部なので特性方程式は、
となり、さらには条件から
ここでについて考察してみると、このときでの式が成り立つためにはでなければなりません。その条件とはサインの性質により
でなければならないことがわかります。
この結果条件を満たすの解は
となり、さらにはこのときの式は
ここで式を見やすくするためにとすると
同次方程式が出てきたのでこれを解けば
との定数を一緒にすれば
ここでの重ね合わせ(線形結合)を考え初期条件を満たすようにすると…
さらには
という条件により、
ここで半区間のフーリエ正弦級数を思い出せば
これを使えばは次のように表現できます。
よって求める解は次のようになります。