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固体原子の熱振動とデュロンプティの法則

 

熱力学,微分方程式,熱振動,デュロンプティ

原子どうしが規則正しく配置されている固体原子においての運動(熱振動)について考察します。
ある固体内の原子の数がN個あるとすればx、y、z方向それぞれを考慮すれば合計で3N個の振動子があると考えることが出来ます。
ある振動子について、その平衡における運動エネルギーと、そして位置エネルギーを求めてみてそれぞれを比較します。
運動エネルギー

まず平衡の中心位置をとしてtで一度微分すれば、

これを代入すると、


このときの周期Tをとおいてを計算していきます。





位置エネルギー



この結果によって、

ということがわかります。
また、エネルギー等分配の法則によりのエネルギーが配られるので、

なので、

三つの方面での振動子のエネルギーは

となるので、N個の原子においてはとなります。 1モルの原子では
エネルギー
この関係により次のようなことが成り立ちます。

この関係式をデューロンプティの法則といいます。
この式は室温より高い温度でよく成立し、においては、

と判明します。

 

○低温の場合
先ほどのデューロン-プティの法則は高温ではよく成り立ちますが低温においてはその測定値が法則の値よりかなり小さくなることがわかっています。
こうしたときの振動子の持つエネルギーを (h:プランク定数)とし、そのエネルギーの値はnの整数値のとびとびの値をとるのだとします。詳しい過程は専門のテキストに任せるとして、このエネルギーを持つ振動子の数の平均値は次のような式で与えられます。

全体としてのエネルギーUの値は


ここでと置くと



しかるに、

これにより、






ちなみに途中の式で次のような方法を使っています。

ここでエネルギー振動子の平均値に手を加えると、



この式を使うとエネルギーUの式は、



熱容量を調べれば、

ここでの微分は次に示すような合成関数微分を施します。

より、

となるので熱容量は次のようになります。

のアボガドロ数にとり、この式をさらに変形させます。

高温の場合

高温の場合、であるのでイクスポーネンシャルの性質により、

とできるので次のように変形させて代入します。

古典的な値とよく一致。

 

低温の場合

であるので これにより、

熱力学,微分方程式,熱振動,デュロンプティ

と置いたをさらにという方程式にしてこれをxで微分して極値を求めると次のようになります。

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