フーリエ積分
今、周期的ではない関数があったとします。
このとき、
周期 |
---|
と考えることが出来るかと思います。
こういったとき、フーリエ級数はフーリエ積分とよばれるものになります。
上記式の、は以下のようになります。
実際に代入してみると、
ここで三角関数の関係式
より、
これをフーリエ積分公式などといったりします。
熱伝導方程式を解く際にこの上記の公式に例えば乗数に変数のついたが一緒にある場合の計算が必要になります。
一応そういった場合の積分公式があるようなのですが、それだと応用がきかないので例題でその解法を示したいと思います。
ただしこの積分は答えを出すまでが少々厄介です。
■の求め方■
まず積分順序を変更します。
この場合、が有界かつ絶対積分可であるならば積分順序の変換が可能です。
このときの積分式、
について考えて見ましょう。
例えば、次のような場合の積分を解く方法を詳しくやります。
まず求める積分をとおきます。
これをまずで偏微分してみまょう。
ここで、
という関係を利用し、部分積分をすると、
この結果により以下のような微分方程式が導かれます。
この微分方程式の解を求めます。
対数の性質により指数の定数をと置けば以下のような式が求まります。
さらに両辺の対数をとれば以下のように求まります。
次にこの積分定数を求めます。
重要なことはこのという積分定数はの変数をとしてをについて積分したものなのだから当然出てきた積分定数はであるということになります。
より、
ここでなので、
上記式を求めるためにまず積分範囲を広げて求める積分値を2倍にします(を対称に広がっているために可能です)。
についての変数変換を実行するためにに関しての式を次のように置きます。
この式に関してで変数変換していきます。
これにより、
これを代入すれば、
次のように求まります。
また途中の式の積分式はガウス積分を使っています。
そしてこれらによって次のように求められます。
よって求める積分の値は次のように求まります。
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