ブラックショールズモデル導出への道しるべ

境界値に関する問題

境界値に関する問題

このチャプターでは熱伝導方程式における境界値に関する問題について考察していきます。

 

 

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無限区間における熱伝導方程式(拡散方程式)とフーリエ積分

前セクションでは定区間においての一次元熱伝導方程式をやりましたが今度は、

熱伝導方程式,変数分離形

について無限に長い場合(無限区間)の方程式を考えてみることにしましょう。

 

積分範囲が無限区間となるのでこの場合はフーリエ積分表示が適用できるようになります。

 

  • 初期条件

初期条件

 

 

同じように変数分離を行いそれぞれの定数をrhoとします。

 

初期条件

 

無限区間における熱伝導方程式

 

 

右辺はtの関数、左辺はxの関数になっていますので、それぞれを定数rhoとみなして式を作ります。

 

無限区間における熱伝導方程式

 

 

無限区間における熱伝導方程式について

 

無限区間における熱伝導方程式

 

についての特性方程式は、

 

無限区間における熱伝導方程式

 

 

なので基本解は、

 

無限区間における熱伝導方程式

 

無限区間における熱伝導方程式

続きを読む≫ 2021/11/22 13:51:22

熱伝導方程式(拡散方程式)における重ね合わせの原理

未知関数を含まない関数を分離できないときを同次といいその同次線形偏微分方程式においては“重ね合わせの原理”というのが成り立ちます。

 

つまりa1 a2 seriesがその方程式の解ならばその線形結合も解となります。

 

次のような式を考えてみましょう。

 

熱伝導方程式,変数分離形

 

※)20211107訂正。右辺変数がvではなくuになっておりました。訂正しお詫び申し上げます。

 

変数分離法を使って、vxtの関数として二つに分離します。

 

 

熱伝導方程式,変数分離形

 

 

これを上式に代入すると、

 

 

熱伝導方程式,変数分離形

 

さらにここでxの項とtの項を以下のように左右二つに分類分けをします

 

熱伝導方程式,変数分離形

 

 

式の両辺をよく見てみるとそれぞれがxtだけの関数になっていることがわかると思います。

 

 

上式のようにxtを独立に考えても等式が成り立つためには両辺の値が定数であると考えればよく、この定数をそれぞれの式に対して、

 

熱伝導方程式,変数分離形

 

 

と置くと、

 

熱伝導方程式,変数分離形

 

という2つの方程式で表せます。

続きを読む≫ 2021/11/14 11:04:14

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