ブラックショールズモデル導出への道しるべ

定係数2階同次微分方程式

定係数2階同次微分方程式

特性方程式

2階のある微分方程式、

 

定型数2階同次微分方程式

 

を考えて見ましょう。

 

 

いま、仮にこの式のy定係数2階同次微分方程式,特性方程式が解であるとします。

 

 

特性方程式

 

特性方程式

 

特性方程式

 

 

 

これを特性方程式といいます。

 

ここで高校で習った解の公式と特性方程式を使ってみると、

 

判別式

 

 

判別法というのを出してみると判別式ですがこれによって解の種類が3種類ほどに分別できます。

判別式のとき

 

解は異なる2つの実数の解基本解λとなり、基本解は、

 

基本解expλ

 

 

さらに一般解は、

 

 

 

D0以上の際の一般解

D=0の際の一般解のとき(重根と呼ばれD=0の際の一般解のときに起こります)

 

解は重解となります。 

 

特性方程式

 

 

この場合、この特性方程式の根は特性方程式ですが簡単に基本解が同じもの2つということにはなりません。

 

n階の微分方程式にはn個の任意定数を含むn個の解が必要です。

 

つまりブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,微分方程式,特性方程式に対して線形独立なもう一つの解を求めなければなりません。

 

その2つ目の解を仮に、

 

特性方程式の解

 

と置きます。

 

するとy2は、

 

特性方程式の解

 

となります。

 

これを、

 

定型数2階同次微分方程式

 

に代入してみると、

特性方程式

 

 

特性方程式

 

 

特性方程式

 


 

特性方程式

 

特性方程式

 

特性方程式

 

特性方程式

 

特性方程式

 

になるので上記の2階微分方程式は次のようになります。

 

特性方程式

さらに今度はこのでてきた式を2回積分します。

 

特性方程式

 

特性方程式

 

特性方程式

 

特性方程式

 

 

これらにより、

 

特性方程式

 

となりますが、ここでもとめているのはy1とは違う独立な解を求めることなのでこれを単に、

 

特性方程式

 

と置きます。

 

 

そうすると、

 

特性方程式

 

 

となります。

ここで-a/2を次のように置きます。

 

特性方程式

 

そうすると基本解は、

 

 

基本解

 

 

一般解は以下のようになります。

 

 

一般解

(3)特性方程式のとき

 

このとき解は実数とそれ以外に虚数と呼ばれるものがミックスされた複素共役と呼ばれるものになります。
汎用ブラックショールズモデルを導く際にはこのときの解を用います。

 

 

根は、

 

複素共役

 

といったものになり、基本解は次のようになります。

 

複素共役解

 

 

実数が指数に対応し虚数側がサインコサインといった三角関数のほうに対応しています。

 

 

特性方程式は次のようになります。

 

 

特性方程式の複素解

 

 

ちなみに虚数$i$は虚数解といった性質を持っています。

【例題】

 

次に示す方程式を解いてみましょう。

 

 

虚数解の特性方程式

【答え】

 

まず特性方程式を作ります。

 

虚数解の特性方程式

 

 

因数分解が出来ないのでこれは解の公式を使って求めます。

 

虚数解の特性方程式


 

虚数解の特性方程式

虚数解の特性方程式

虚数解の特性方程式

 

 

 

となるので基本解は、

 

虚数解の特性方程式基本解

 

となるので一般解は次のようになります。

 

虚数解の特性方程式基本解

 

 

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