常微分方程式
微分方程式の例1)
つぎのようなに関する方程式を考えます。
両側をに対して微分します。
これをさらに微分すると、
といったものが微分方程式です。
※)20211023修正(計算過程及び結果が間違っておりました。ご迷惑をおかけいたし大変申し訳ございませんでした)
微分方程式の例2)
次の円について考察してみましょう。
この円に関しての方程式はだったと思います。
これをで微分するとどうなるでしょうか?
実際にやってみると、
という式が出てきます。
これは円の接線方向の傾きを意味しています。
【n階微分方程式の解】
微分方程式に含まれる導関数の階数(ドット数)の一番高いもの(階)を、階の微分方程式といいます。 微分方程式の解には一般解と特殊解というのがあります。基本的には階微分方程式には個の任意定数を含む個の一般解があり、さらにはその任意定数において初期条件などがついていてその条件のもとでしか求まらない解…いわゆる特殊解とよばれるものがあります。
【例題】
次の微分方程式を求め、そしてその一般解から内の初期条件を満たす特殊解を導いてみましょう。
【答え】
これが求める一般解になります。
さらにこの一般解に対して初期条件を代入し特殊解を求めます。
なので求める特殊解は、
となります。
【1階微分方程式(変数分離形)】
次の形の微分方程式を考察してみましょう。
解き方としては、まず変数が2つあるので両辺にそれぞれを“分ける”ということをします。
次にこの式の両辺をそれぞれ積分します。
といのは積分定数です。
※)20211026修正。式が間違っておりました。大変申し訳ございませんでした。
【例題】
まず変数分離という作業をし、それぞれを積分して行きます。
右上図はのときの、つまりをグラフ化したものです。
ラインが複数に分かれている理由は計算によって出てきた積分定数の値をからの範囲で刻みでプロットしているためです。
【問題】
次の微分方程式を解いてみてください。
【答え】
まず変形させます。
次に両辺を積分します。
両辺の対数をとって、
これが求める一般解になります。
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