平行軸定理の応用①
くり抜き円盤の慣性モーメントの導出方法
画像の左側の斜線なしの部分は、元の円盤(半径
)から半径
の部分をくりぬいたものと考えてください。
中心を
、半径
の円盤から、その半径を直径とする円をくり抜いた残りの部分の
を通り、円盤に垂直な軸に関する慣性モーメントを求めます。
考える剛体を
、くり抜く円を
、軸を
軸とし、くり抜く前の円盤剛体を
とします。
さらに円をくり抜く前の円盤の
軸周りの慣性モーメントを
、考える剛体
における軸周りの慣性モーメントを
、さらにくり抜いた円盤剛体
の
軸周りの慣性モーメントを
とします。
まず慣性モーメントの定義により次のような式が成り立ちます。
これを変形させると、
次に
を考えます。
円をくり抜く前の円盤の質量を
とすると今考えている円盤におけるその面積密度に関しては、
微小面積は平面極座標を使えば、
となるので、微小部分の質量は、
これらにより微小面積要素
は以下のようになります。
これらをもとに式を組み立てて計算していきます。
よってくり抜き前の円盤に関する慣性モーメントは以下のようになります。
次に
を考えます。
の部分の質量は、
であり、この
を求めるために
の中心を通り、
に垂直な軸周りの慣性モーメント
を求めます。
における面積密度は、
微小面積は平面極座標系を使用するのでヤコビアンは以下、
そして軸からの距離は
であるので、
の微小面積要素における慣性モーメント
は以下のようになります。
この積分式を計算していきます。
よって
の慣性モーメントは以下のように求まります。
ここで求めたい慣性モーメントは
と軸が並行で、距離が
だけ離れています。
そこで平行軸の定理を使用します。
上記の平行軸の定理(シュタイナーの定理)において、左辺の求める
を
、右辺第1項の
が
に対応し、そして右辺第2項の質量に当たる
が
、そして同じく右辺第2項の
が回転軸からの距離の2乗になるので、結果、次のような式が導かれます。
それぞれ代入し計算していきます。
よってくり抜いた円盤剛体の慣性モーメント
に関しては以下のように求まります。
これらの結果により求めようとしているくり抜かれた円盤の慣性モーメント
は、
だったのでそれぞれに代入していって計算していきます。
これらの結果により求めようとしているくり抜かれた円盤の慣性モーメント
は、
長方形板の慣性モーメントの導出過程 ━ 辺の長さがそれぞれ2a,2bの厚さを考えない長方形板の重心を通る対称軸に関する慣性モーメントの計算
直方体の慣性モーメントの導出過程 ━ それぞれの辺の長さを2a、2b、2cとした場合の直方体の重心を通る軸に関する慣性モーメントの計算
棒の対称軸に関しての慣性モーメントの導出過程 ━ 長さ2aの棒の中点を通り棒に垂直な軸に関する慣性モーメントの導出計算過程
棒の慣性モーメントその②の導出過程 ━ 長さ2aの細長い棒の中点を通り棒とαの角をなす直線に関する慣性モーメントの導出過程
円盤の対称軸に関する慣性モーメントの計算 ━ 半径、質量がの円盤を考えます。この円盤の中心を通りその円盤に垂直な軸の周りの慣性モーメント
円盤の慣性モーメントその② ━ 円盤の中心を通り、円盤の法線面上の垂直線とαの角をなす直線に関する慣性モーメントを求めます。
中空円盤の慣性モーメントの導出過程 ━ 中空円盤の内半径をa、外半径をbとします。こうしたときの中空円盤の慣性モーメントを求めていきます。
円錐の慣性モーメント ━ ある質点間の距離が変化しない円錐の頂点と、底面の中心を通るZ軸周りの慣性モーメントを求めていきます。
球の慣性モーメントの計算 ━ 球の中心部分となる重心点を通る軸に関する慣性モーメント。考える球体の質量はM、半径はRの均一な球体とします。
円輪の中心を通る対称軸に関する慣性モーメントの計算。極座標系を取り質量はM、半径はa、円周は2πnとしたときのx,y,z軸周りの慣性モーメント
一様密度で質量M、外径b、内半径aの球殻の中心を通る慣性モーメントの厚さがある場合と厚さを無視できる場合の慣性モーメントを考察していきます。
円柱の重心を通る対称軸に関する慣性モーメントの計算 ━ 半径がa、高さがlで質量がMとする円柱のxyz軸におけるそれぞれの慣性モーメント。
中空円筒の重心を通る軸に関する慣性モーメント ━ 一様密度で質量がM、半径がa、長さをlとし、円筒の外側の厚さは無視できるものとします。
半球体の重心を通る軸に関する慣性モーメントの導出 ━ 質量がM、半径がaの半球体の重心周りに関する慣性モーメントの計算過程。
くり抜かれた円盤の慣性モーメントに関して、平行軸の定理を利用して目的とする円盤の慣性モーメントの導出に関して詳しく解説していきます。
円錐の慣性モーメント-2
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