固有値と固有ベクトル
考え方としては以下のようになります。
まずあるベクトルがあってそれは
行
列の行列の(一般的には)線形演算子(一次変換)とし、また、
を
次の列ベクトルとします。するとこのとき、

が成り立つならば、

といいます。
ちなみに量子力学においてはが物理量、
が状態に、
が観測される値に対応します。
上記式を変形させると、

は単位行列です。
今仮にが存在したとすると、これを
の左から両辺にかけると、

これは、という条件に反するので
は存在しないことになります。
従って、

でなければなりません。
は
の
次方程式(これを固有方程式といいます)となるのでこれを解けば固有値
が求まるという寸法になります(一般的には
個求まります)。
固有値が求まったら、それらをそれぞれ
に代入し、連立方程式の形にして、そしてこれを解けば固有ベクトルが求まります。
固有値と固有ベクトルを求める例題
固有値と固有ベクトルの例題

の固有値と固有ベクトルを求めてみましょう。

また、

なので、次のようにそれぞれを代入していきます。

この結果によりは以下のように求まります。

さらにここで、

とします。
の場合
を
に代入して

これを満たす、

を見つけると、

したがって、

の場合
を
に代入します。

これらを満たすを見つけると、

になります。
なので、

以上の結果から、
の固有値
の固有値は、

固有値
に属する固有ベクトル
に属する固有ベクトルは、

固有値
に属する固有ベクトル
固有値に属する固有ベクトルは、

Pythonによるラプラス方程式の描画
サテライトサイト「微分方程式いろいろ」コンテンツ内で取り上げた「ラプラス方程式」にて使用されたPythonグラフィックスになります。
ラプラス方程式とは、2階の線型楕円型偏微分方程式のことになります。領域内においてある境界条件を満たすラプラス方程式を求め、それによりさまざまな解析解を導くことが可能です。
ここでは簡単な例として長方形プレートの平衡温度分布に関して、2次元のラプラス方程式で導き出した解をPythonの3次元描画によって表現します。
ラプラス演算子
ひとまずラプラス方程式に関しての簡単な予備知識を考察していきます。
それぞれの座標とした3次元座標空間において2階の偏微分作用素を
とし、この作用素を次のようにおきます。
