2重振り子(微小でない場合)
微小でない場合の2重振り子の振動
それぞれの重りはどちらもとし、その重りをつないでいる糸の長さはlで曲がったりせずかつ重さは無視できるものとします。
y軸に関しては下向きにとります。こうした場合ラグランジアンの式は次のようななります。
途中の式ではという三角関数の公式を使っています。
についてのラグランジアンは
ここで三角関数の公式を使うと、
さらにを使うと上記式は
この結果をについてのラグランジアンに使えば、
次はに関しても同じようにやると
(1.79)(1.80)の式をとのそれぞれについて求めます。
まず(1.80)より、
出てきたこの式を(1.79)に代入すると
ちなみに上の導出式においてはという三角関数の性質を使っています。
次はを求めます。
まず、(1.79)式においてについて変形すると、
この式に(1.80)を代入し、先ほどと同じように計算していけば、
よって結果は次のようになります。
出てきた式を見てわかるように、かなり複雑な運動を行うことが予想できるかと思います。さらにおもりの重さの違いや糸の長さの違いなどが加わればもっと複雑な、なかばカオス的な状態を導くことになります。
ここで上式において次に示す近似式
これらを上式にそれぞれ代入し、
さらに三角関数の次のような性質
を使えば、
という結果が出てきますが、これを連立させて計算すると、
となります。
これは先ほどのページ(2重振動微小の場合)に出てきたの連立式と同じものであることがわかります。
2重振り子(微小でない場合)関連ページ
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- 解析力学とは、簡単に説明すればニュートン力学における運動方程式の記述を座標変換などの解析的な手法を用い、力学の現象を数学的に洗練された形にあらためて表現しなおしたものをいいます。 当サイトコンテンツはあくまで初学者、あるいは一般の方が、解析力学というものはどんなものかと知るような場合に適した内容になっているかと思います。ただしある程度の微分積分学の知識が必要です。
- 2重振り子@
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