数理統計学

分散共分散行列

分散共分散行列

n変量のデータ変量のデータから得られる行列におけるn変量のデータ個からなる対角成分の分散(分散(Variance))と、n(n-1)個の共分散(Covariance)をn変量のデータ次の正方行列にまとめたものになる。

 

ex.3変量の場合

variance-covariance matrix

 

3変量正規分布に従う確率ベクトルの計算

確率ベクトル(X, Y, Z)の転置行列を次のような3変量正規分布に従う確率ベクトルとする。

 

3変量正規分布に従う確率ベクトル

 

この時、次に示すベクトル、

2変量正規分布

 

の分布における期待値ベクトルは、

2変数に従う多変量解析の期待値ベクトル

 

また、この多変量正規分布の分散共分散行列は、

 

2変量確率正規分布行列

 

よって多変量正規分布の確率変数転置確率ベクトル(X+Y、 Y-Z)^Tが従う2変量正規分布は以下のようになる。

 

2変量正規分布

上記式が見ずらい場合は以下のアイフレーム枠内を参照。

 

この上記行列における各要素を具体的に計算していく。

 

 

 

分散〜分散式Variance

分散式における確認

分散Xの式

より括弧の中を計算していった場合次のようになる。
分散Xの式の計算過程

 

 

分散Xの式の計算過程

分散Xの式の計算過程

分散Xの式の計算過程

分散Xの式の計算過程

分散Xの式の計算過程

 

より、

分散Xの式

 

これをもとに先に示した2変量正規分布の対角成分における和の分散式と差の分散式を具体的に求めていく。

和の分散式

和における分散式は、

和の分散式

上記式を以下のように計算していく。

 

となるので結果として和の分散式に関して次のような関係式が求まる。

和の分散式

差の分散式

前述の式と同じように差における分散式は差の分散式より、

 

差の分散式

と表現できるのでこれを先ほどと同様にして計算していく。

 

次のように求まる。

差の分散式の計算結果

共分散〜共分散Covの計算

次に分散共分散行列の対角成分以外の共分散の計算を行っていく。
式としては次のようになる。

これを実際に計算していく。

なお上記式変形においてEの中のそれぞれの変数は期待値の性質として定数であることを利用している。

 

結果次のように求まる。

したがって転置確率ベクトル(X+Y、 Y-Z)^Tにおける多変量正規分布、

 

2変量正規分布における分散共分散行列

 

の分散共分散行列の部分は以下のようになる。

結果をまとめるとまず期待値に関しては、

 

2変量正規分布における期待値

 

2変量正規分布における期待値

2変量正規分布における期待値

 

 

2変量正規分布における期待値

 

2変量正規分布における期待値

2変量正規分布における期待値

 

次に分散共分散行列の対角の分散成分、

 

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

 

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

 

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

 

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

 

 

共分散は、

 

2変量正規分布における分散共分散行列の対角成分の計算

以上をまとめると、


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