2017年4月1日

エントロピー

熱力学におけるエントロピー

エントロピーとは

私たちの普段の生活においてもわかりうることのように、熱というのは高いほうから低いほうへ移動しその逆はありえません。
その過程は簡単にいえば一方通行のようなもの、ひいてはその熱量の移動に関して元の状態には戻らない不可逆的なものであるということがいえるでしょう。その状態量の増加する様子をエントロピーといいます。
この示量性状態量をあらわすそれは線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学で表し、また、系の可逆的なエネルギー循環ならばエントロピーは“0”であり、不可逆的な過程ならばエントロピーは増大していきます。

 

一般的に“乱雑さ”といわれますがこの乱雑さが増大するということを意味するので何かのエネルギー量が増えるというようなものではありません。

 

数式で示せば、まず系に加えられる熱量を線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学とし、これに対して線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学したもの

線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学

このときにおける線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学を取り出すと、

線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学

その過程は準静的に行われ、それによりエントロピーという状態量が線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学だけ増すものと考えます(エントロピーの増大)。

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・・・・ 準静的変化の場合は、線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学は状態量になる。

エンタルピーとエントロピーの関係

エントロピー以外の熱力学的関数であるエンタルピーとの関係を考察してみましょう。
全微分形式のエントロピー式を変形させると、

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ここで熱力学の第一法則、

first law of thermodynamics

この時のfirst law of thermodynamicsは、first law of thermodynamicsを独立変数に選んだ関数とします。

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一方、エンタルピーHは、
Enthalpy


Enthalpy


Enthalpy
Enthalpy

より、
Enthalpy


ということが言えます。
換算熱量として次のようなものを考えます。

heat equivalent amount


線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学が積分分母になっており、このときの線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学を準静的変化で取り出すと(線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学はエントロピー:状態量として)次に示すような式になります。

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もしここで上に示される線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学が全微分であるとするならば、

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さらに、

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となるはずです。すると、

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一方で、

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したがって、次のような結果を導くことになります。

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しかし理想気体においては、

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さらには、
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しかるに、

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となるのでこの場合、全微分の条件を満たしていません。

結論 …… 線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学は全微分ではない

しかし、

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より、

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これらにより線型代数,ベクトル解析,慣性モーメント,解析力学,微分方程式,フーリエ解析,物理学,数学が全微分であるということがいえます。

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