微分積分学

全微分

全微分

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分 − すべての変数を微少量動かすということ

xを微少量dxだけ動かす。

 

x + dx

すると、一次近似より、

 

approximate value

 

となります。

 

ここでこのときの関数の変化量をdf approximate valueと書くならば、

 

df approximate value

 

となります。
これを関数z=f(x)の全微分といいます。

 

 

全微分とは、すべての変数を微少量動かしたときの一次近似での関数の変化量

2変数z=f(x, y)の場合

z=f(x, y)の変数x,yを微少量動かしてみます。

x,y

 

すると一次近似では、

approximte rounded xy

approximte rounded xy

 

3変数z = f(x1, x2, x3)でも同じように、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

ここで簡単な例題を考えてます。
ある2変数関数z=f(x, y)があったとします。その変数x,yはさらに変数tによって示されるものとします。

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

このときの微小変化量は、それぞれ、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

になります。

 

まず、fに対する全微分は、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

なので、この式に先ほどの(1.1)の式を代入します。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

または、

df全微分式公式2

 

となります。

 

また、関数yが変数xで表されている次のブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分というような場合は、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

ここで、ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分から

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

なのでこれを代入すると、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

となります。

 

 

 

 

【問題】

ある2変数関数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分があります。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

この関数における変数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分はそれぞれ次のように表せるとします。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

このとき、ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分を求めてみましょう。

【答え】

まず、ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分の式を微分します。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

そして、ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分の式に関してそれぞれブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分で偏微分します。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

ここで、

 

df全微分式公式2

 

に代入すれば、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

以上の考え方をさらに発展させてみましょう。

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分においてブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分が変数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分にそれぞれ依存する場合

 

次に示すように、ある関数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分においてブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分がさらに変数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分にそれぞれ依存する場合を考えます。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

この時の全微分がどうなるかを考えます。

 

まず、ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分のそれぞれの全微分の式は、zの式は変数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分に依存しているので、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

そして今度は、そのブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分が、それぞれブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分に依存しているので

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

となります。

 

 

(1.2)の式に(1.3)のそれぞれの式を代入してみると、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

より、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

 

ここでブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分とみなせるので、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

(1.4)及び(1.5)の式を比較すれば、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

と表せることがわかります。

 

以上を元に実際の計算を行ってみましょう。

【問題】

ある関数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分の変数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分が次に示す変数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分によって依存しているとします。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

次のものを求めてみましょう。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

 

【答え】

 

それぞれの微分の結果を示すと

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

これを代入すれば、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

より、次のような結果を得ます。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

nextupprevious

補遺

このセクション内においてこれより先は単なる飛躍です。興味のある方だけ読んでみてください。

いま、関数ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分に構成されている変数xyは、さらにr thetaという変数と次のような関係にあるとします。

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

このときの

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

を使って表すとどうなるかをすこし考察してみましょう。

 

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分は全微分の公式により、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

xy三角関数公式という公式により、

 

三角関数公式

 

と書きなおすことが出来ます。

 

まずはxのほうから微分していきます。

 

極座標変換

 

次に、

 

極座標変換

 

の計算ですが、これはちょっと工夫して、

 

極座標変換

 

このようにし、両辺をそれぞれ微分します。

極座標変換

 

となるので、

 

極座標変換

 

さらにブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分に関しての微分を行うと、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

 

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分は、先ほどと同じように、tan thetaの両辺を今度はyで偏微分します。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

これより、

 

 

round theta_round y

 

以上の結果より、それぞれ、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

■一様な重力場中における質点の力学的エネルギー■

全微分の式を使って、力学的エネルギーEが時間によらず一定、つまりdE=0であることを示します。

 

ちなみに微分の表記の仕方は今までやったとおりですが、時間で微分する場合はdot yなどという書き方をします。意味的にはdydtと全く同じです。呼び方はドットといいますのでdot yはワイのワンドットなどといったりします。

 

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

力学的エネルギーeの式には変数がdot yyの二つになっているのでブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分と表せます。

 

これに対して全微分の式を適用すると、

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

Eの式をそれぞれブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分で偏微分します。

 

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

(1.6)式に(1.7)を代入します。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

この式をスカラー倍ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分します。

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

ここでブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分よりブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

これにより、

 

ブラックショールズモデル,偏微分方程式,オプションプライシングモデル,全微分

 

 

よって“E”は時間によらず一定であるということがわかります。

nextupprevious


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