偏微分
2つの変数式の微分
1つの式の中に2つの変数がある場合の関数を考えてみましょう。
変数は2つあるので、このときの微分の仕方には次の2種類あります。
これを偏微分、または偏導関数といい、“”は分母にある変数で偏微分せよという意味の記号です。
一般的には“ラウンド”などという呼び方をします。
計算法はとくに難しく考えるまでもなく、で偏微分するときは以外の変数は定数だとして普通に微分すればよいだけです。
たとえば次のような2変数関数について、とのそれぞれに偏微分を行ってみましょう。
についての偏微分は、
については、
となります。
【問題】
次に示す3変数関数についてそれぞれの変数に関しての偏微分を行ってみましょう。
【答え】
高階の偏導関数
を1回偏微分すると、2通りの結果が出ることをやりました。
次は2回目、さらにはそれ以上の偏微分を繰り返していった場合、どういう結果が出るかを考察してみましょう。
先ほどのを2回偏微分すると、
この4通りがあることがわかると思います。
さらに3回目の微分をすれば8通り、つまり個の結果が出ます。
また、の3変数関数に対して2回の偏微分をすれば、次のような結果、
という、通りの結果が現れてくるということがわかると思います。
また、さらに3回目の微分を行えば通りの結果が出てきます。
実際に2階偏導関数の計算を行ってみましょう。
【問題】
次の2変数関数の2階偏導関数を求めてみましょう。
【答え】
なので、次はそれぞれをさらに微分していきます。
気づかれているようにとは結果が同じです。
これは偶然などではなく微分する順番に関係なく結果が同じになるということです。
が何回でも偏微分可能ならば偏微分する順序は関係がない
ただし有限回しか偏微分が出来ないときは注意しなければなりません。
合成関数の偏導関数
との2つの変数がある関数において、変数とがさらにほかの変数の関数、
であるとします。つまり、
という関数があるとき、
をそれぞれとによって偏微分をすると、
となりますが、この2つの偏微分を実行するにはのとにを代入して、をすべてとで書き直してから計算するという方法をとります。
このとき、
となります。
実際に問題を解いてみましょう。
【問題】
ある2変数関数
があったとします。
この変数はさらに次のような他変数によって表されるとします。
2変数関数に対する偏微分、
を導いてみましょう。
【答え】
まずについて、構成されているそれぞれの偏微分を実行すると、
となるので、それを式
の右辺に代入すれば、
今度はについても同じように、
となります。
の右辺に代入すれば、
となります。
補遺
ここで上記の式を使って、
の式を具体的に考察してみましょう。
の式をで偏微分すると、
ここでループさせます。
に着目して、
さらに右辺に対して微分の逆演算を施せば、
括弧の中の式は、だということがわかります。
それをと書き直せば、
となります。
に対しても同じ結果がでてきます。
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