ブラックショールズモデル偏微分方程式
ここで変数変換の式を現実のケースに置き換えて考えると
というのはコールオプションなどの満期日にあたるので(解は数学上では可能ですが)現実には
の値(時間)はマイナスになるということはありません。
そして最初の境界条件のというのは満期を迎えた原資産価格
が行使価格
より大きいという条件なので
が
以下ならば金融派生商品
の価値は
、さらには満期日における境界条件は
になるので
の式に代入すれば、
となります。
これを変形すると、
となります。ですので以上の結果を考慮すれば、最初に示した境界条件は、
さらに先ほどの変数変換に関して考慮すれば、であり、
としているので、この境界条件はさらに、
より、
の値が
以下ならば
の値は
であり、この場合積分する範囲は
以上に限られます。
なので積分範囲はから
となっていますが、(5.3.4)の積分は次のように表現できます。
さらに上記範囲内にあるを当てはめれば次のようになります。
を元にもどし、上記の式を変形させます。
ここでと置く変数変換を実施します。
代入すれば
ここで変換する前のの積分範囲は
ですが、これを変数変換後の
に置き換えてみると次のようになります。
なので積分範囲は、
の範囲は次のようになります。
表記を統一するために2項目のは
として変数変換をしています。
ここで下のグラフを考察します。
これは、
という関数においての値におけるそれぞれのグラフを表したものです。
は平均、
は分散を表しています。
なお、は
としています。
軸を中心にしてその形が左右対称になっているのがわかると思います。
この関数は正規分布関数といわれており、の値が変化しグラフの形は変わってもその左右対称という構造は変わっていないというのがその大きな特徴です。
この関数は一般的に次のような簡略化した表記をします。





正規分布関数のこうした特徴を応用すれば次のようなことがいえます。
これより、におけるこの関数を正規分布関数表記を使って表せば次のようになります。
最後にに代入します。
よって次のように求まります。
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