懸垂線
ロープや糸などの紐の類をその両端を固定して吊り下げたものを懸垂線などといいます。これは物理的なポテンシャルが最小になるときのものであり、ここではそれを表す方程式をオイラーの式を使って求めるのですがいままでのやり方だとちょっとうまくいきません。そこで途中の式で全微分の公式を使います。こうしたやり方は物理現象を数式によってとく際にたまに使われる数学テクニックになります。
たとえば一様な重力場中の質点の力学的エネルギーは時間によらず一定(になる)であることの証明や、壁に立てかけた棒の運動を数学的に説明するときなどに使われます。
とりあえず実際にやってみましょう。
紐の長さはとします。微小線要素は先ほどと同じく。
よって
線密度、重力加速度とすればこの場合のポテンシャルは線分の位置エネルギーになので
となりますがここで簡単のためと置きます。
これをオイラーの式に合わせて解いていきます。
オイラーの方程式にそれぞれを代入していくのですがそのままの計算を行うと結果がになってしまうのでここでちょっと工夫をします。
さらにオイラー式にをかけます。
を元に戻しさらに計算していきます。
まずに対して全微分の公式を適用します。
でてきたとの式を互いに足し算引き算してそれを変形させていきます。
ここでなる変数変換をします。
これを微分したものは、
の式に代入すれば、
これを積分して出てきた定数をとします。
下のグラフィックはGNUplotを利用しEPSで出力したものです。
cosh(ハイパボリックコサイン、またはコッシュなどと言ったりします)のグラフに対する軸の部分を垂直方向にし、そしてそれをぐるっと回転させるとこのような3Dグラフィックが出来上がります。
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